自社ブランドや体験工房を通じて「和晒」の魅力を発信

「和晒」は、綿布を晒して真っ白に仕上げる製法だ。まずは原反を専用の釜に入れ、穏やかな水流で2日間かけて焚き上げ、不純物などを除去していく。作業の要所要所に職人の技が必要となり、全てを機械任せにはできない。角野晒染は「和晒」の伝統を守りつつ、新たな可能性を模索。さまざまな方法で「和晒」の魅力を発信している。

角野晒染株式会社

「和晒」の特徴は、吸水性と通気性の良さ、柔らかな風合い、優しい肌触りだ。これは、生地にストレスをかけない製法と、綿布の毛羽を残すことで生まれるもので、綿布の毛羽を焼き、高圧力・短時間で仕上げる洋晒とは全く異なる。角野晒染は、加工後の
晒生地を全国の染色工場に出荷。また、ロール捺染やスクリーン捺染により自社工場内で生地を染め、手ぬぐいやガーゼの寝巻
などを創作している。「和晒」の良さをより多くの人に知ってもらうため、デザイン性にこだわった自社ブランドも展開。女性向けのガーゼパジャマ「堺和晒 優柔~yu-ju~」、ファッションに感度の高い人向けの「MUSUBI」、幅広い商品展開を視野に入れた「KADONOSARASHI SOME」などを、Webサイト中心に販売している。また2017年より、堺市内の同業他社とコラボして「てぬぐいフェス」を開催。体験イベントが好評だったことがヒントになり、2021年3月には本社内にショールーム&絞り染め体験工房をオープンさせた。確かな手応えをバネに、これからも挑戦は続いていく。

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