スナゴケによる都市の緑化。地球温暖化防止にも貢献

耐火材の販売と築炉工事を主事業とする一方で、地球温暖化対策として都市の緑化事業に取り組んできた。大阪府立大学との共同研究を経て、独自に開発を重ねて実現したのが、コケをベースにしたユニークな緑化。芝生などを用いた緑化に比べ、メンテナンスが容易で、維持コストも抑えられる。省エネ効果においても注目を集めている。

株式会社八木萬

「スナゴケ」による従来にない新しい緑化システムを開発した。スナゴケは、乾燥や暑さ・寒さにも非常に強い品種で、水分がなくなっても仮死状態で生命を保つ。自重の約10倍の水分を保持し、打ち水のように気温を下げる効果がある。加えてCO₂の固定能力は、杉やヒノキの10倍以上とされている。こうしたスナゴケの特性は、都市の緑化に最適と言えよう。建物に設置するための育成基盤には吸音レンガを採用。断熱性に優れ、適度な保水性と透水性を兼ね備えるセラミックのレンガは、軽量で加工がしやすく基盤材にうってつけだ。屋上などの緑化には、この基盤を敷き並べるだけで簡単に設置できる。屋上緑化のノウハウを応用し、駐車場緑化や庭園用の苔シートの育成も行うなど、現在、苔の活躍の幅は広がっている。事業拡大を見越して、スナゴケの育成も自社で行い、三重県伊賀市に広大な圃場を所有。スナゴケによる緑化を広め、ヒートアイランド現象の緩和、地球温暖化防止への貢献を考えている。

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