少ロット対応と品質保証を叶えた物づくり企業

鋳鉄を中心にした切削加工を昭和14年から続けている。創業間もなく大手業務空調メーカーと取引を開始し、厳しい品質要求に応えながら技術を培ってきた。しかしメーカーの生産拠点が海外に移り量産部品が激減した。生き残りをかけて方向転換し多品種少ロット生産をスタートさせる。

株式会社ヤマエ

株式会社ヤマエにとって少ロットの製品は「協力会社に依頼するもの」であり、社内で製造する事はなかった。そんな中、少ロット生産で生き残りを図ろうと新しい取引先から特殊車両の部品製造の依頼を請けたのが山本社長だった。
NC 旋盤2台とマシニングセンター1台、技術者2名を確保して新事業を開始。さらに量産ラインから少ロット対応へと工場内の編成も変更し、どんな仕事が来てもすぐに機械が動かせるようにした。しかし大胆な改革は量産に慣れたスタッフ達から強く反発され受け入れられなかった。
そんな転換期を迎えた同社にとって幸いしたのは「長引く不況」だった。仕事が減った事で、どんな案件でも請け負わなければなかった。少ロットの仕事のおかげで売上は減ったが利益は伸びた。「技術者の意識を変えるのが一番難しかったがスタッフ達も数値を目当たりにし納得してくれた。不景気が逆にチャンスになった。」と山本代表は当時を振り返っていた。

企業概要