伝統を今に活かす技術と、伝統文化を継承する染色工場

のれん、幟、旗などに文字や図柄を入れる印染(しるしぞめ)の技を継承する老舗。伝統を守りながら、大手百貨店の催事・展示会から、ショッピングモールの店内用品まで、幅広く受注生産できる体制と提案力により信頼を築いてきた。大手外食チェーンにおいても、のれん、座布団、前掛、着物、タペストリーなどの大きなシェアを持つ。

三原染工株式会社

顔料を一切使用せず、製造元が明確な染料のみで丹念に伝統の手染めを行っている。裏面も美しく染めるため、安全性の高い反応性染料を駆使した片面裏浸透という技術も確立した。さらに糊材には食品に使われる海草を原料としたものを、保水用助剤にはハンドクリームに添加される尿素を、発色用助剤には家庭用洗剤などに使用される食品系の重炭酸ナトリウムを使用。排水問題への取り組みにより、環境面に配慮した工場として全国のモデルとなっている。
また綿素材は愛知県や静岡県、ポリエステル素材は福井県と、生地はすべて国産を使用。糸から選定し、精練の指導にも関わりながら、自社独自の基準に基づいて染色安定性と国内トップレベルの低伸縮性を実現している。使用場所や風景、土地柄、習慣などに鑑み、満足のいく商品を提案するプロの仕事にもこだわっている。近年は昇華転写も活用。手捺染とデジタルを駆使し、複雑なデザインや量産に対応するなど、〈印染〉の文化と産業を守っている。

企業概要