日本唯一のアトマイズアルミニウム粉専業メーカー

1917年(大正6 年)に、日本で初めてアルミニウム粉(以下:アルミ粉)をアルミ箔のスクラップから水車動力で製造したパイオニア。1948年に堺市で個人企業として創業し、アルミ製品やアトマイズアルミ粉を製造した。アルミ粉は産業界を支える名バイプレーヤーだが、製造上の取扱が難しいことから、現在では国内の専業メーカーは同社のみとなっている。

ミナルコ株式会社

アルミ粉の製造方法の中で、同社はアルミの溶湯を霧状に粉砕するアトマイズ(噴霧)法を用いている。アルミ粉は水や酸などと接触すると水素を発生させ、静電気や火花が着火源となって粉塵爆発を起こす危険性がある。同社は100年以上に渡ってアルミ粉の製造に携わり、危険を回避するノウハウを蓄積。過去に爆発事故を起こした経験もあり、現在は三重工場に製造拠点を置いている。4 万㎡もの広大な敷地に、工程別の建屋を十分な安全距離を取って配置。工場内から危険要素を取り除くため、設備はステンレス製とし、従業員は静電気防止作業服と導電靴を着用する。あくまでも「効率より安全」である。顧客の工場見学時には「粉塵爆発実演デモ」で危険性を実体験してもらい、安全への意識向上にも努めている。
アトマイズアルミ粉の用途の8 割は、還元、触媒、酸化防止、助燃、発熱といったケミカル系。その他、塗料や建材、自動車、OA機器、ソーラーパネルなどの製造過程にも用いられ、国内シェアは約7 割だ。産業界を支える素材だけに安定供給は至上命題。
そのための安全追求はこれからも続いていく。

企業概要