鍛造や製鉄の工場を支える「誘導加熱コイル」

大正元年に酒屋として創業したが、ものづくりの時代を予見して昭和23年に製造業に転身。電鉄用の巻線保守工場として発展し、銅の加工技術を磨いていった。現在は、長年にわたって蓄積した要素技術とノウハウを活かし、鍛造や製鉄用「誘導加熱コイル」の製造・保守を軸に事業を展開。海外への市場拡大も見据え進化を続けている。

羽衣電機㈱

誘導加熱とは、電磁誘導の原理を活用して金属に電流を流し、非接触で自己発熱させる方式。電流を送って磁界を発生させるのが「誘導加熱コイル」である。羽衣電機株式会社は、銅の加工技術は勿論、金属を溶着する「ろう付け」、絶縁処理、耐熱処理の各技術に磨きをかけ、自動車部品工場をはじめとする鍛造関連企業などの誘導加熱コイルを製造。近年は、某シンクタンクからの引合いで強力な磁力を発生させる「高温超電導コイル」が採用された他、大学の研究室から実験用「超電導コイル」のオーダーが舞い込むようになった。また、膨大な電力を要する工場では電力コスト削減につながる高性能・高効率の「誘導加熱コイル」が不可欠だ。同社は製造・保守に加え、稼働中の設備についても検証し、顧客の生産状況や加熱材に応じた「誘導加熱コイル」の最適化を提案。設計の見直し、設備の再利用により設備投資額や消費電力を抑えるとともに、設備自体への熱負担を軽減できるメリットを積極的にアピールしている。

企業概要