溶融亜鉛メッキ使用の「エコテナー」を次代の常識に

かつては脚立や農業用一輪車、建築足場など、鋼管を使った多様な加工品を製造販売していたが、バブル崩壊でいっきに業績不振に陥った。一時は廃業の危機にあったが、ここから巻き返しが始まった。景気に左右されにくい物流業界に着目し、溶融亜鉛メッキの物流機器の製造に特化。以来、業績は右肩上がりに伸びている。

株式会社 新川製作所

株式会社新川製作所では、耐食性が高くサビや剥がれ落ちの心配がない溶融亜鉛メッキ鋼管を使ったネスティングラック「エコテナー」を製造している。亜鉛メッキの鋼管は塗膜が厚く溶接ムラが起きやすいので、溶接跡を美しく仕上げる事が困難だと言われてきた。そこで同社はロボット溶接機が誕生した頃から導入し、ノウハウと経験を蓄積。溶接状況に応じた治具の選択、スパッタによるダメージ低減等、独自の技術により美しい仕上げを実現している。また一カ月に使用する200トンもの鋼管は、コイルの段階から手配した別注品。全てを自社で切断し、プレス、溶接、塗装までをこなすのも同社ならでは。業績好調の理由について新川会長は「物流機器に一本化する事で製品を絞り込め回転率がよくなった。物流機器は受注生産が多いので安価な輸入品に負けるリスクも少ない」と分析する。次の目標は焼き付け塗装品が9割を占める物流業界で亜鉛メッキ品を常識にする事。同社の勢いは止まりそうにない。

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