職人の手のひらで無限に広がる、手作りの美味しさ

「和菓子は工芸のように奥が深い」と語る岡田代表。匠の手のひらで巧みに作り上げられる上生菓子は、正しく芸術品である。桜、菊、椿といったように季節を目と舌で楽しむ日本の風流が小さな甘味に宿る。手作りにこだわり、量産はしないが、それだけに一つひとつに込められた匠の技と心が、人の記憶にいつまでも残る味となる。

おかよし味匠庵

ここは地元でおなじみの和菓子の名店。正統派の和菓子一筋。なかでも創造性が求められる上生菓子は、茶会、歌会等さまざまな集まりでのおもてなしに登場し、日本の四季が織り込まれた風趣の逸品である。季節感はもちろん、その都度新しいアイデアを盛り込んでいく。茶会の先生等、常連の顧客に納品する上生菓子はメモをとっておき、次の上生菓子の案を練る。茶会の度に、替わる和菓子を楽しみにしている参加者も多い。上生菓子の限りない可能性こそ、和菓子の匠を魅了させて止まない奥深さであろう。おかよしの和菓子は全て手作り。上生菓子の場合、白練切と呼ばれる生地を手のひらで広げて餡をくるみ、頭の中のイメージを形にしていく。手の形や力の入れ具合は人それぞれ異なる為、同じ和菓子でも作り手によって異なる。その日の天候で焼き加減も調整、餡も種類によって微妙に味を変える。「味は作り手によって異なるべき。同じ味では面白くない。ここだけの味を頑固に貫かねばならない。」と語った。

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